図面を見るということは、
上から間取りを見下す形で見るということなのですが、
この状態で間取り図と睨めっこをしていると
家のコストが上がりやすくなります。
この視点から図面を眺めていると、
なんだか部屋や収納が狭いような気がしてくるし、
収納に至っては数も足りないような気がしてくるからです。
私たち建築屋は間取り図を見るだけで立体的に頭で描くことができますが、
間取り図を見慣れていないお客様にとっては不安でしかないと思います。
つまり、それらの不安を解消するために
家の面積が大きくしがちになってしまいます。
収納に至っては、
現時点での自分たちの持ち物を十分に把握出来ていないとなると、
なおのこと「これで大丈夫だろうか?」という不安にかられてしまいます。
こんにちは^^
㈱すまいの達人 平塚です。
昨日ブログに書き忘れたのですが、
おとといの1月24日の雪の積もった早朝に
プチ人助けをしたので、
その内容はすまいの達人通心2月号に書こうと思っています笑
話は戻り、今回は
図面の正しい見方、
「収納」の正しい見方についてお伝えしていきたいと思います。
「とにかく収納はたくさん欲しい」というのが
多くの人に共通したご要望ですが、
収納を増やしたとてそれだけで収納力が上がるわけではなく、
その一方でコストだけは順調に上がってしまうので、
そんな無駄なことを防止するためにも
ぜひプランへと進む前に知っておいて頂きたいと思っています。
✔️床の広さは重要ではない
収納は「床」の広さだけで分量が決まるわけではなく、
「壁」の広さによっても分量に大きな違いが生じます。
例えば、幅と奥行きがどちらも91cmの収納と
幅が2倍で奥行きが半分の182cm×45.5cmの収納は
床の広さは全く同じですが、そこに置ける分量は
棚の枚数が同じ場合、単純に2倍違います。
布団以外の荷物はほぼ全てと言っていいぐらい
そんなに深い奥行きを必要としません。
ちなみに洋服をハンガーパイプにかける場合の必要幅は45.5㎝で
その下にタンスを置くことも可能です。
もちろん、奥行きが深い収納も
前後2列に陳列すれば2倍の収納力にはなるのですが、
ここで問題になってくるのが、
前後2列に並べて荷物を置かないといけない収納は
果たして使いやすいのかということです。
奥の荷物を取り出すために
わざわざ手前の荷物を一旦退けないといけないし、
この置き方をしていると、
奥に何を置いているのか分からなくなります。
わかりやすく説明すると、皆様のご実家や親戚のお家の収納の
奥行は多くが91㎝ではないでしょうか。
その収納スペースの中は現在どうなっているのか
実際に見てみれば想像できるかと思います。
収納は管理しやすくつくるというのが鉄則であり、
そのためには奥行きよりも棚の長さに重点を置いて考えるべきなのですが、
コストを無駄に上げることなくそれを実現する最良の方法が、
「壁」の数を最大化するということです。
なので、図面を見る時は収納が一体どれだけの広さなのかではなく、
一体どれだけの壁があるのかに着眼していただけたらと思います。
✔️回遊動線のメリットとデメリット
また、収納の分量が気になる方がやらない方がいいのが回遊動線です。
玄関からリビングダイニングキッチンに直接行けると同時に、
収納~脱衣~洗面を通してリビングダイニングキッチンに行けるようにした
いわゆるグルグルと家の中が回れる動線のことです。
理由は、収納を通り抜けることが出来るというコト=
収納の中に通路が出来るからです。
つまり、収納の中の壁量がそれだけでガクンと減ってしまい、
通り抜け出来ない場合の半分以下の収納力になってしまいます。
その上、ドアの数が1枚増え、スイッチの数も1つ増えるため、
コストは上がってしまいます。
洗面や脱衣に関しても、
通り抜けにすれば入り口が2ヶ所になってしまうため、
ドアとドアがかち合う可能性が高くなり使いにくくなるかもしれないし、
これを避けようとしたら余分な廊下を増やさざるを得なくなり、
結果コストアップに繋がってしまい、
前ブログでお伝えしたように『断熱』にも影響がでてしまいます。
断熱=数値≦間取りです。
なので、インスタや見学会などで回遊動線や通り抜け動線を見て、
その利便性の良さに憧れを抱くかもしれませんが、
「陽」の部分だけじゃなくその裏に隠れた「陰」の部分にも
目を向けられるようにしておいてもらえたらと思います。
この見方が出来るようになれば、
収納に対する不安を解消するために
無駄に収納を広げる必要がないことが分かる上に、
他の部分にも応用すれば、
コストカットが可能になるので、
ぜひ覚えて頂けたらと思います。
※外で保管できるものは倉庫を買った方が安価です。
最後までお読みいただきありがとうございました^^