脱炭素の流れに伴い、
住宅の高性能化が著しく進んできたここ数年ですが、
正直な話、若干行き過ぎた感が否めないなと感じている方も
少なくないのではないでしょうか。
また、どこに行っても性能の話をされるものの、
どこも同じような話ばかりで
その違いもイマイチ理解出来ないため
その説明に混在されている方も
少なくないのではないでしょうか。
こんにちは^^
(株)すまいの達人 平塚です。
というわけで、
今回は業界の中で加熱し過ぎている
「オーバースペック(過剰性能)」
についてお伝えしていきたいと思います。
お施主様が最高の形で暮らせる
ハイスペック(高性能)を備えておくのは
プロとして当然のことですが、
それを超えた「オーバースペック」は、
不要だと言っても過言ではない
というのが個人的な意見なので、
その理由についてお伝えしていきたいと思います。
✔️オーバースペックとは?
ウィキペディア引用
「オーバースペック(過剰性能)」とは、
利用者が求めるよりもさらに高く持っている性能と、
その性能を持つ機械の総称ですが、
過剰という言葉が指し示す通り
利用者にとっては不要なものであり、
多くの場合「宝の持ち腐れ」になってしまっていると思います。
「いやいや、そんなことないでしょ!
施主が求めている以上のものを搭載してくれているのだから
素晴らしいじゃないですか!」
このようにお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
お施主様が求めている以上のものを搭載するために
かけるコストが絶望的に無駄だと思っています。
そもそも平屋にすれば、
99.9999%必要じゃない「制震ダンパ」
これだけでも40〜50万円の負担増です。
また、この地域では、
「UA値0.87」という数値さえクリアしていれば
最高クラスの断熱性能を備えているし、
あるいは「0.6」という数値をクリアしていれば、
ZEH基準すらもクリアしていて
超快適に暮らしていけるにも関わらず、
なぜかその遥か上を行く北海道級の数値を標準にするという
謎の快適性の追求。
なのに、空気の循環を遮る「廊下」を大量につくるという
矛盾だらけの提案をする住宅会社。
大幅なコストをかけ超高気密高断熱+全館空調を謳い
密閉によるモヤっとした室内空気が流れるハウスメーカー。
この要素を兼ね備えているだけで、
100万円〜500万円はコストの無駄を
叩き出しているのではないでしょうか。
後々のメンテナンスコストまで踏まえると
かなり大きな負担増になるのではないでしょうか。
住む人のためにというよりは
むしろ他社との差別化のためだけに、
お施主様が負担するコストを犠牲にしてまで
「自社の強み」を作り出すのは間違った考え方ではないか
と思っている次第です。
現在は、木材をはじめとした原材料費の高騰によって
かなり負担増になっているので、
本来私たちはコストを抑える工夫や提案をすべきですから。
✔️活かすも殺すも間取り次第
私たち工務店は
お施主様が最高の状態で暮らせるように
ハイスペックを備えておく必要はありますが、
コストを犠牲にして
それ以上の「オーバー(過剰)スペック」を備えるのではなく、
そのハイスペックを活かす間取りを
考えることが本当に大切ではコトではないかと思っています。
先程お伝えした「制震ダンパ」は
平屋や1階に負担をかけない2階の間取りにすれば設置する必要すらありません。
また、平屋にしつつ空気を遮断する廊下をなくせば、
体積も小さくなり冷暖房効率が格段に高くなるので、
過剰な数値を追いかける必要もありません。
かつ、平屋にすれば階段による
上下階の温度差が生まれなくなるので、
全館空調システムだって必要なくなります。
つまり、間取りによって
暮らしの中で起こる問題を解決することさえ出来れば、
不用意にコストを上げることなく
最上級に暮らしやすい住まいを提供することが可能になります。
なので、オーバースペック(過剰性能)は
確かに魅力的に感じるかもしれませんが、
それは確実にコストに跳ね返るということ、
そして、そんなことをしなくてもいい間取りさえ出来れば、
一般的なハイスペック(高性能)住宅で
充分過ぎるぐらいだということを
知っていただけたらと思います。
数値を追いかけてどんなにオーバースペックにしても
エアコン・暖房が必要ない暮らしにはなりません。
最後までお読みいただきありがとうございました^^